健康診断でよくある質問

健康診断の種類と検査内容を詳しく解説|検診費用や注意点について教えます

健康診断_内容

健康診断は自分の健康状態を知り、病気の早期発見に役立てることを目的とする大切な検査です。学校や企業で行うことが義務づけられています。

しかし、検査の内容やそれによって何がわかるのか、どんな病気がみつかるかについては、専門用語が多くてよくわからないと感じている人もいると思います。

ここではそんな健康診断の種類や検査内容、費用や検査時の注意点についてわかりやすく紹介しています。

健康診断の主な種類5つ

健康診断の主な種類5つについて紹介します。

1:特定健診(特定健康診査)

特定健診とは生活習慣病を予防するために導入された検査です。対象者は40~74歳の全国民が対象で「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、1年に1回実施されます。実施主体者は医療保険者です。

特定健診の結果から生活習慣病の予備軍だとわかると、その対象者に保健指導が行われます。健康保険証を受け取っている医療保険者から、特定健診の受診券と案内の発行がされると、特定健診を受けることができます。

2:学校健診

学校健診は「学校保健法」に基づいて行われます。対象者は児童や生徒で、毎学年、定期的に行うことが義務づけられています。

主に身長や体重、栄養状態、脊柱や胸郭の異常、四肢の状態など身体の機能を診る検査です。他の項目としては、視力や聴力、耳鼻咽頭疾患の有無の確認などがあります。尿検査を行うことはありますが、採血は実施しません。

3:職場健診(定期健診)

職場健診とは「労働安全衛生法」によって定められた、企業の従業員のための健康診断です。常時雇用している人を対象に年に1回行われています。

費用は原則として企業(事業主)が負担します。健康診断の結果は本人に通知されるほかに、企業に5年間保管することが必要とされています。

職場健診は対象者によって検査項目が異なり、年齢や受診歴によっては省略できるものもあります。

4:雇入時健診

雇入時健診は企業に入社する直前、または直後に実施する健康診断です。「労働安全衛生規則第43条」では労働者を雇い入れた際に健康診断を行うことが義務づけられています。雇入時健康診断の結果を入社時の提出書類とする企業もあり、指定された期間内に受ける必要があります。

入社前3ヵ月以内に雇入時の健診項目をカバーする健診を受けていれば、その結果を会社に提出することで雇入時健診を省略することができます。

5:がん検診

がんに特化した健康診断です。胃がん・肺がん・乳がん・子宮頸がん・大腸がんの早期発見を目的としており、市区町村などの自治体から委託を受けた医療機関で受けることができます。

それぞれ受診間隔が定まっており、受診時期になると市区町村からお知らせが届きます。がん検診は数百円~数千円の自己負担で行うことができます。

 

健康診断と人間ドックの違いは?

人間ドックは自覚症状のない病気の早期発見を目的としています。身体の各部位の精密検査を行い、疾患や臓器の異常を確認します。

身体の隅々まで検査が行えるので、健康診断では異常が見つからなかった人でも異常が見つかる場合があります

公的な医療保険の対象ではありません(=全額自己負担)が、加入している健康保険組合によっては補助金がでる場合があります。

助成額
上限 8,000円
(注)ただし、受診にかかった金額が8,000円に満たない場合は、受診にかかった金額になります。

参考:渋谷区

 

健康診断で検査する8つの主な内容

健康診断で検査する主な内容について紹介します。

1:血液検査(採血)

血液は全身をめぐり、身体に必要な酸素や栄養素を供給したり、不要になったものを回収する役割があります。血液はさまざまな臓器の状態を反映しているので、血液を調べるだけで多くの情報を得ることができます。

血液検査には、

  1. 血液の細胞成分を調べる「血液一般検査
  2. 血液の液体成分を調べる「血液性化学検査
  3. 病原体に対する抗体を調べる「免疫・血清学検査
  4. がんの発生時に増える成分を調べる「腫瘍マーカー

があります。

2:尿検査

血液をろ過して作られる尿は、全身のさまざまな情報を教えてくれます。特に、尿を作る腎臓の機能を調べるには必要不可欠な存在です。

自分で採尿できるので、健康診断のなかでも手軽な検査だといえます。尿蛋白や尿潜血、尿糖については試験紙に少量の尿を付着するだけですぐに検査ができます。

出始めの尿は、出口付近に付着している細菌が混入されやすいため、少し出した後の尿(中間尿)を採るのが原則です。

また尿検査に最も適するのは、前夜から膀胱内に溜まった朝一番の尿です。

3:身体計測

身長や体重、腹囲を測定し、肥満ややせがないかを調べます。肥満は動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病につながる大きな要因になります。

また、やせすぎは消化器系や代謝・内分泌系の病気が隠れている可能性があります。身長と体重がわかればBMIを算出することができます。

BMIは肥満の判定に最も広く使用されており、BMI25以上を肥満としています。腹囲は内臓脂肪の量を知る目安であり、メタボリックシンドロームのスクリーニング材料として扱われています。

4:血圧測定

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の内壁に与える圧力のことです。

よって血圧測定は循環器の検査の基本となります。血圧測定は座った状態で収縮期血圧(最大血圧)と拡張期血圧(最小血圧)を測ります。

最近は家庭用の血圧計の種類も充実しており、病院以外でも気軽に測定することができます。収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が 90mmHg以上高血圧とみなされます。

高血圧は、心筋梗塞・狭心症・脳卒中・腎障害に関与する動脈硬化を引き起こす恐れがあります。

5:生理機能検査

検査機器を使って循環器や呼吸器などの機能を調べます。循環器では「12誘導心電図検査」、呼吸器では「肺機能検査」があります。

12誘導心電図検査

電極を胸に6ヵ所、両手首・両足首にそれぞれ1ヵ所ずつ貼り付け、2~3分安静にします。電極が心筋が収縮する際の電気刺激をとらえ、波形として表示されます。波形に異常があると、電流の伝わり方や心臓の異常をみつける手がかりとなります。

肺機能検査

一般的にスパイロメーターを使用して検査を行います。息が漏れないように鼻をクリップでとめ、マウスピースをくわえて口だけで呼吸をします。出入りする息を調べることで肺の換気機能を調べることができます。

6:画像検査

画像検査には

  1. 「エックス線検査」
  2. 「超音波検査」
  3. 「内視鏡検査」
  4. 「CT検査」
  5. 「MRI検査」
  6. 「RI検査」

があります。

エックス線検査

一般的なのは肺の状態を調べる胸部エックス線検査です。エックス線を照射しただけでは写りにくい臓器を調べる場合は、造影剤を使用する造影エックス検査が行われます。

超音波検査

超音波を使いさまざまな臓器を調べることができます。エックス線と違い放射線を浴びることがないので妊娠している人でも受けることができます。

CT検査

エックス線を使う検査のひとつで、身体の断層画像を得ることができます。鮮明な画像が得られる半面、エックス線検査より放射線の被ばく量は多いです。

MRI検査

磁気を使用し身体の断層画像を得る検査です。磁場を身に着けて検査を行うことができないため、心臓ペースメーカーなどが体内に入っている場合は検査を受けることができません。

RI検査

放射線を放出する薬剤を体内に取り入れ撮影する検査です。がんの骨転移を調べる骨シンチグラフィーが代表的です。

7:細胞診検査

細胞診検査とは痰や尿、粘膜などを採取し、細胞に異常がないかを顕微鏡で調べる検査です。採取された細胞がいびつな形をしていると、がん細胞と判断されます。

子宮頸がんを調べる場合は、医師が子宮口や子宮頸管の一部を綿棒でこすり取って細胞を集めます。肺がんを調べる場合は、自分で痰を採ります。

苦痛が少ないため、行われる頻度の高い検査です。ただし、細胞診検査だけでは病気の断定は難しく精密検査を追加することもあります。

8:医師による診察

医師による診察には

  1. 症状や既往歴を聞く「問診
  2. 聴診器を使用して雑音がないかを聞く「胸部聴診
  3. 胃や腸の痛む場所やしこりの有無を調べる「腹部触診
  4. 乳がん検診で乳房の状態を診る「視触診
  5. 婦人科系の病気を調べる「内診
  6. 直腸がんや前立腺がんを調べる「直腸指診

があります。いずれも異常がみられた場合には、より精密な検査を行い病気の特定を行います。問診はできるだけ正確に医師に情報を伝える必要があります。

診察前に書く問診票は、各質問項目、詳細に記載するようにしましょう。

健康診断の検査期間は?

健康診断の種類によって検査期間は異なります。特定健診や学校健診、職場の定期健診は年に1回(医療保険者や学校、企業が指定する時期)、雇入時健診は入社の直前または直後に実施する必要があります。

健康診断の料金相場

特定健診の費用は各医療機関や実施する項目によって異なります。また自己負担額についても、各保険者の判断で決めているためそれぞれ異なりますが、職場の定期健診や雇入時健診の費用は10,000円前後のところが多いです。

職場健診の費用は企業が負担します。会社が一括で払ったり、領収書と引き換えに支払ったりします。

健康診断を受ける際によくある疑問

健康診断にまつわる疑問を解決します。

1:何歳から受けるもの?

健康診断の目的は、健康状態の把握と異常の早期発見です。症状がなくても定期的に受ける必要があります。年齢に関わらず、年に1回は行いましょう。生活習慣病を発症しやすいといわれている40歳からは特定健診を行うことが義務づけられています。

2:どこで健診を受ければ良い?

指定された医療機関があればその場所で健康診断を受ける必要があります。指定されていない場合は、受けたい検査項目がある医療機関を選ぶようにしましょう。

3:健康診断でがんなども発見できますか?

健康診断は年齢に応じた一般的な検査であり、健康診断だけではがんの特定はできません。がんの早期発見を目的とするならば、がん検診を受けましょう。

4:健診結果はどのくらいでわかりますか?

医療機関によって異なりますが2~3週間で結果がわかることが多いです。ただし混雑状況や検査内容によって前後することもあるので、詳細は健診を受ける医療機関へ確認しましょう。健診結果は医療機関で直接聞く場合と郵送で送られる場合があります。

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5:健診前日や当日の注意点は?

絶食時間や、アルコール・たばこの中止などが指定されることがあります。医療機関から指定された指示を守るようにしましょう。常用している内服薬がある場合は主治医に相談しましょう。

また健診は衣服をまくったり、着脱したりすることがあるので、上下に分かれたゆとりのある服装でいくとよいでしょう。

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6:健診が受けられないケースはありますか?

妊娠中や妊娠の可能性がある人はエックス線検査を受けないほうがいいとされています。また、健診で使用する薬剤や機器にアレルギーがある場合は受けられない可能性があるため医療機関に確認しましょう。

まとめ

健康診断を受けることは、自分の健康状態を知り生活習慣を改善するきっかけになります。健康診断を受けたら必ず検査結果を確認し、必要な説明を受けましょう。

医師はさまざまな検査結果を総合的に判断して病気の診断を行います。ひとつの項目の検査結果に一喜一憂せず、検査結果全体で捉えることが大切です。

再検査が指示された場合は検査を受け、生活習慣についての指示があれば、それを生活の中に取り入れてみましょう。

参考文献
・阿倍美和子編(2015)『きょうの健康 検査でわかること』NHK出版

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ナースもちこ
ナースもちこ
アラサー看護師。『保健師資格あり』大学病院の小児科に5年勤務後、ワークライフバランス実現のため保育園へ転職。プリセプターやリーダーの経験あり。子どもが好き。自身の経験が誰かの役に立つことを願いながらライター活動を行っている。ブログURL:https://ameblo.jp/nursearth/