健康寿命を延ばす3つのメリットと今日からできる10の取り組み

健康寿命_延ばす

ただただ長生きできればいい、そのような時代はもう終わりです。介護や補助なしで自立して生活できるかの指標となる健康寿命を伸ばすことが今は注目されています。

そもそも健康寿命とは、世界保健機関(WHO)が 2000 年に提唱した概念に基づいてたものとされており、日本でも国を上げて取り組むべき問題として、実は昭和53年から取り組んでいるものでもあります。

(1) 第1次国民健康づくり対策(昭和 53 年~)
健康づくりは、国民一人一人が「自分の健康は自分で守る」という自覚を持つことが基本であり、行政としてはこれを支援するため、国民の多様な健康ニーズに対応しつつ、地域に密着した保健サービスを提供する体制を整備していく必要があるとの観点から、

①生涯を通じる健康づくりの推進、②健康づくりの基盤整備、③健康づくりの普及啓発、の三点を柱として取組を推進。

(2) 第2次国民健康づくり対策≪アクティブ80ヘルスプラン≫(昭和 63 年~)
第1次の対策などこれまでの施策を拡充するとともに、運動習慣の普及に重点を置き、栄養・運動・休養の全ての面で均衡のとれた健康的な生活習慣の確立を目指すこととし、取組を推進。

(3) 第3次国民健康づくり対策≪21 世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)≫(平成 12 年~)
壮年期死亡の減尐、健康寿命の延伸及び生活の質の向上を実現することを目的とし、生活習慣病及びその原因となる生活習慣等の国民の保健医療対策上重要となる課題について、10 年後を目途とした目標等を設定し、国及び地方公共団体等の行政にとどまらず広く関係団体等の積極的な参加及び協力を得ながら、「一次予防」の観点を重視した情報提供等を行う取組を推進。
引用元:健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料 - 厚生労働省

しかし健康寿命を伸ばすと言われても「伸ばしたら何が良いの?」「どうやったら伸ばせるの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。

今回は健康寿命を伸ばすメリット、そして伸ばすために今日からできる10の取り組みをご紹介します。

目次

そもそも健康寿命を延ばすべき3つのメリット

健康寿命とは先ほども言ったように、自立して生活できる期間を表すものです。日本人の寿命は年々伸びる傾向にありますが、寿命が伸びたからといっていつまでも健康に過ごせるとは限りません。

そこで重要なのが健康寿命を伸ばすことです。

なぜ健康寿命を伸ばすことが大切なのか、ここでは3つのメリットをご紹介します。

1:長生きを楽しいと思える

健康寿命が伸びれば、それだけ人生を楽しめる期間も増えます。厚生労働省が2010年(平成22年)に発表したデータよると、平均寿命と健康寿命の差は男性で約9年、女性で約13年です。

男女を平均すると約11年の差があることになります。つまりこの約11年は寝たきりかもしれないし、誰かの介護なしでは生活ができないかもしれないというわけです。

死ぬまで約11年もの期間、思うように体を動かせないまま過ごすのはとてもツライことでしょう。

しかし健康寿命を伸ばせたら、ただただベッドの上で横になっているだけのような期間を減らすことができます。体を動かせる期間が増えるので、長生きをツライと感じずに楽しいと思えるでしょう。

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2:充実した人生を送れる

健康寿命を伸ばすことで、人生の充実感をアップできます。なぜならやりたいことにチャレンジしやすい人生を送れるからです。たとえば山登りをしたい、マラソンに挑戦したい。これは足腰がしっかりしていないとできません。

他に好きなものを食べるには口腔内の環境が保たれていないといけませんし、編み物がしたいなら手先を動かせる状態でなければできないでしょう。

健康寿命を伸ばすことで、自分がやりたいことができる期間を伸ばせるのです。

[chat face="man1" name="" align="left" border="gray" bg="none" style=""]「あれもこれもまだやりたかったのに…」と後悔したままベッドに臥す状態を想像してみてください。終わりよければすべてよしということわざがありますが、このような最後では満足して人生を終わらせられません。健康寿命を伸ばせば、少しでも人生を充実したものへと近づけられます。[/chat]

3:医療費の削減につながる

健康寿命が伸びると、間違いなく医療費の削減につながります。日本の医療費が年々増え続けているのをご存知でしょうか。

第一次ベビーブーム世代の方たちが後期高齢者(75歳以上)となる2025年には、医療費が2020年現在よりさらに約12兆円増えるとも言われています。

医療費が国を大きく圧迫していることから、医療費の負担を75歳以上でも1割ではなく2割負担にしようという動きも見られています。医療費圧迫が間接的に増税につながっていくことも考えられるでしょう。

健康寿命に意識をもつ方が増えれば医療費が減り、日本に住んでいるすべての方がより生活しやすい環境が作られます。健康寿命を伸ばすことは、自分の健康を守るのはもちろん、すべての方の生活を支える土台のサポートにもなるのです。

健康寿命を伸ばすために出来る10の取り組み

健康寿命を伸ばすことで、長生きを苦痛に感じくくなったり人生をもっと楽しんだりできます。ではどうすれば健康寿命を伸ばせるのでしょうか。

ここでは今日からできる10個の取り組みをご紹介します。

1:生活習慣病について知り予防する

驚くことに、日本人の死因は約6割が生活習慣病です。生活習慣病とは高血圧や脂質異常症、糖尿病など生活習慣が原因となって起こる疾患をまとめて指します。たかが血圧が少し高いだけ、コレステロールが少し多いだけと侮ってはいけません。

高血圧の状態が続けば心筋梗塞やくも膜下出血、コレステロールが多い状態は動脈硬化が引き起こすリスクを高めます。これらの疾患はすべて寝たきりにつながることもあるものです。

そのため塩分を控えたり運動をしたり食生活を見直したりなどを行うことが重要視されています。

2:食事バランスに気をつける

食事内容が私たちの健康を左右しているといっても過言ではありません。塩分を多く摂る生活を続けていれば高血圧に、脂っこい食事を続けていれば脂質異常症になるリスクが高まってしまうのです。

実際に生活習慣病を抱える方には、食生活の見直しをするようにと病院や薬局から指導を受けることが多くあります。

塩分の量は男性で1日に8g、女性で7g未満を目指しましょう。またお肉ではなく魚を食べるように意識し、1日に350g以上の野菜を食べることも大切です。

食生活を見直すだけでも血圧やコレステロール値などは改善されることがわかっています。

3:睡眠をしっかり取る

質の良い睡眠を取ることで、生活習慣病のリスクが減ることがわかっています。

一見すると睡眠と生活習慣病には関わりがないように見えますが、睡眠不足は自律神経を乱れさせるためにさまざまな疾患を引き起こす原因となってしまうのです。

よく知られているものには意欲低下や精神的な落ち込みがあります。他に糖尿病や冠動脈疾患などのリスクを高めることも明らかです。

しかし人によって必要な睡眠時間が異なるので一概に何時間以上寝ましょうとは言えません。そのためお昼に頭がぼーっとして集中力がなくならない程度に睡眠を取りましょう。

寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見ない、寝る2時間前にお風呂に入る、寝る2~3時間前には食事を済ませるなどの対策をすると寝付きがよくなります。

参考:睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

4:飲酒を控える

過度な飲酒は肝硬変や膵炎、消化器疾患やメタボリックシンドロームの原因です。また1日あたり純アルコールとして男性で40g以上、女性で20g以上摂ると生活習慣病のリスクが高まると言われています。

意外かもしれませんが、アルコールは血圧を上げることもわかっています。

ついつい飲みすぎてしまうこともあるアルコールですが、節度を守って飲むことが大切です。1日にビール中瓶1本程度の飲酒にとどめるよう心がけましょう。

5:喫煙を控える

近頃では喫煙所がなくなったり全面禁煙の飲食店が増えたりと、禁煙ブームが広がっています。というのも喫煙は肺に負担をかけることはもちろん、血管を収縮させて血圧を上げたり心臓に負担をかけたりしてしまうからです。

喫煙の年数が長いほど、吸う本数が多いほど体への負担は大きくなります。禁煙してから10年後経つと、喫煙者と比べて肺がんのリスクが約半分になることが国立がんセンターのデータでも明らかです。

禁煙してから10年後には、肺がんのリスクが喫煙者に比べて約半分に低下し、口腔がん、食道がん(扁平上皮がん)、胃がん、喉頭がん、膀胱がん、子宮頸がん(扁平上皮がん)のリスクも低下することが報告されています(表3)。

喫煙者は、生涯たばこを吸わない人より10年程度余命が短くなるという報告もあります。ただし、35歳より前に禁煙すれば、たばこによる死亡リスクの増加を回避できることも報告されています。喫煙によって日常生活動作の低下や認知症の発症リスクが上昇することも示唆されています。禁煙によって、健康に長生きできる可能性が高まるのです。

引用元:たばことがん もっと詳しく知りたい方へ:国立がん研究センター

禁煙する時期が早ければ早いほど伸ばせる寿命も長くなりますので、喫煙されている方はぜひ禁煙を始めてみましょう。

6:歯の健康を守る

健康寿命を伸ばすためには歯や口腔内の健康を守ることも大切です。歯がなければもちろんものは食べられません。

自分の歯を使って噛んで食べられるありがたみは、もしかしたら実際に歯を失ってから出ないと実感できないこともあるでしょう。

飲食しにくいだけでなく、歯がほとんどなく義歯も使用していない方は認知症のリスクが高まることも明らかです。

参考:現在歯数と健康寿命 - 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020

日本歯科医師会では80歳になっても20本以上の歯を保てるよう運動を行っています。現状では80歳以上の平均本数は約9本です。

歯磨きにプラスして歯間ブラシを使う、虫歯がなくても定期的に歯の検診を受けるように心がけましょう。

7:適度な運動をする

運動は健康を維持する上でとても重要なことです。運動によって血圧やコレステロール値、血糖値が下がります。また体を動かすことで骨や筋肉を鍛えることも可能です。

骨や筋肉が弱まると転倒しやすくなるのは想像しやすいでしょう。

高齢になってから転倒すると、もともと筋肉が弱まっていることもあり、そのまま寝たきりになってしまうことも少なくありません。1日30分のウォーキングからまずは始めてみましょう。

8:カロリーコントロールを行う

肥満はあらゆる疾患リスクを上げる原因です。BMIが27を超えたあたりで心疾患や脳血管疾患、ガンなどによる死亡率が急増します。

体重が増えすぎないように日頃からカロリーコントロールを行いましょう。

日本人のBMIと死亡リスク
肥満は2型糖尿病、循環器疾患、いくつかのがんに関係しており、健康に重大な悪影響を及ぼします。肥満指数(BMI)は体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出され、測定・計算が簡単で、肥満・痩せの指標として広く使われており、その水準が健康リスクや死亡率と深く関係していることが海外の多くの研究で報告されています。

引用元:肥満指数(BMI)と死亡リスク | 現在までの成果 | 科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 | 国立がん研究センター 社会と健康研究センター

1日に必要なカロリーは170cmで体重60kgの60歳男性なら約2,300kcal、160cmで体重50kgの60歳女性なら約2,000kcalです。

食べたものを記録して一度カロリーの記録をつけてみてください。自分がカロリーを減らすべきなのか増やすべきなのかをまず把握することが大切です。

9:ストレスを溜め込まない

健康管理とは何も体の健康を守ることだけが目的ではありません。精神的な健康管理も大切です。2014年に厚生労働省が行った調査によると、日頃の生活でストレスをまったく感じないと答えた方はわずか4.1%でした。

ストレスがたまりやすい生活を続けていると、うつ病などの精神疾患を発病してしまうこともあります。

また精神的ストレスは生活習慣病や感染症といったリスクも上げるため、こまめに発散していくことが大切です。ストレス発散方法としておすすめなのが運動です。運動は幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンを増やし、気分を明るくしてくれます。

さらには足腰も鍛えられるので一石二鳥です。

10:定期的に健康診断や予防接種を行う

何事も早期発見、早期治療が大切です。疾病が進んでから治療を始めるよりも、初期の段階で治療をはじめたほうが予後は良くなります。運動や食生活に気をつけることはもちろん大事ですが、定期的に健康診断を受けることも重要です。

またインフルエンザのように予防接種によって重症化を防げる疾患もありますので、予防に力を入れることもおすすめします。体の調子が悪くなってからではなく、元気なうちにできることをやっておきましょう。

まとめ

健康寿命を伸ばすことで、自分の人生をより自分らしく楽しく送ることができます。また医療費削減にもつながるため、多くの方が医療を受けやすい状態を間接的に保つことも可能です。

健康寿命を伸ばすために運動や食生活の見直し、定期的な健康診断など無理なくできそうなものからぜひ始めてみてください。

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