ナトリウムの働きとは?適切な摂取量や過剰摂取のリスクを解説

ナトリウムには、細胞内のミネラルを保つ働きをしています。人が生きていくために必要なものであり、通貨として利用されていたこともあるくらいかつては貴重なものでした。

ところが、現代日本においては塩分の過剰摂取が、高血圧や食道ガンなどの原因となっています。

今回は、ナトリウムの働きや適切な摂取量などについて学んでいきましょう。

目次

ナトリウムの働きとは?

ナトリウムは、体内のミネラルバランスを保つ働きをしています。多くは細胞外液に含まれています。体重の約0.15%に相当するナトリウムが、体内に存在します。

細胞内に存在するカリウムと反応することで、酸と塩基のバランスを整えたり、浸透圧を維持したりしています。

ナトリウムの食塩相当量とは?

ナトリウムは食塩というかたちで体内に摂取されます。食塩は、塩素とナトリウムからなっています。

食塩相当量とは、ナトリウムの量を食塩の量に変換したものをいいます。

計算式は…

ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)

例えば、ナトリウム1000mg は食塩2.54gに相当することになります。

日本人はナトリウムを過剰摂取しがち

しょうゆや味噌汁、漬物など、日本食はなにかと塩分が多めになりがちです。平均的な日本人は、具体的にどのくらいの食塩を摂取していて、どのくらいまで減らさなければならないのでしょうか。

日本人の平均的な食塩摂取量

平成29年 国民健康・栄養調査結果の概要によると、日本人の平均的な食塩摂取量は、男性で10.8g、女性で9.1gとなっています。

引用:食塩摂取量の平均値(20歳以上、性・年齢階級別)

食塩10.8gと言われても、具体的にどのくらいなのかイメージできないかもしれません。例えば、ラーメンには1杯あたり5~6gの食塩が含まれています(スープを全部飲むか、味付けが濃いか薄いかにもよりますが)。

しょっぱい味付けが好きな人であれば、この平均値すらも簡単に超えてしまっているかもしれません。

適切な食塩摂取量は?

WHO心血管疾患予防ガイドラインでは、1日の食塩摂取量は5gが適切とされています。ラーメンのスープを全部飲めばそれだけで到達するような数値です。血圧を気にするのであれば、おちおちと外食はできないですね。

1日に最低限必要なナトリウムの量

身体機能を維持するために必要なナトリウム量に関して明確な定義があるわけではありません。しかし、世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、1日に最低限必要なナトリウム量は200~500mg程度ではないかと推定されています。

通常の食事をしていればナトリウム不足になることは考えにくく、日本人の場合は特に過剰摂取が問題になっています。

ナトリウムを摂りすぎるとどうなるのか

ナトリウムを摂りすぎると、血液のナトリウム濃度が高くなります。血液のナトリウム濃度を薄めるために、細胞内から血液に水分が移動し、血液量が多くなります。結果、むくみや高血圧を引き起こします。

また、脳卒中や心疾患といった生活習慣病や、食道ガンや胃がんの原因にもなります。

ナトリウムの多い食品

日本食でいうと、漬物や調味料、加工肉などは食塩を多く含んでいます。

一例を挙げると...

  1. 梅干し
  2. しょうゆ
  3. みそ
  4. めんつゆ
  5. ノンオイルドレッシング
  6. 紅ショウガ
  7. 生ハムの塩辛
  8. 福神漬け
  9. たらこ など

血圧が気になるなら、これらの食品は摂りすぎない方がいいかもしれません。もっとも、しょうゆを完全に使わない生活というのも現実的ではないかもしれないので、かけるのではなくつけるようにして食べるなど、過剰摂取にならないような工夫をしていくべきでしょう。

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