カリウムの効果と1日の摂取量、上手な摂り方を解説

カリウムは、細胞の正常な働きをサポートするミネラルの1つです。ナトリウムと作用して高血圧を予防するため、血圧が気になる方は積極的に摂取したい栄養素の一つです。

ここでは、カリウムについて以下のうような点をご説明します。

  • カリウムの効果
  • 1日の摂取量
  • 上手な摂り方
目次

カリウムの効果

細胞の水分や浸透圧を維持

体内には、体重の約0.2%のカリウムが含まれており、細胞の中に多く存在しています。細胞外液に存在するナトリウムと作用し、細胞の水分や浸透圧を調整しています。

高血圧の予防

カリウムは高血圧の予防に有効であると考えられています。カリウムには腎臓がナトリウムを再吸収する働きを抑え、尿と一緒に体外に排出するのを促す作用があります。

十分なカリウムを摂取することに加え、ナトリウムの過剰摂取を日々の生活のなかでいかに防いでいくかというのが高血圧を改善する鍵となります。

では、食塩の摂取量はどの程度に抑えればいいのでしょうか。

WHOのガイドラインでは、成人の1日あたりの食塩摂取量を5g未満として推奨しています。

5gとはどのくらいなのでしょうか。例えば、味噌汁には1.5~2gの塩分が含まれているので、味付けにもよりますがだいたい3,4杯でWHOの基準を超える計算になります。

塩分が多い食事につきましては、『高血圧 食べてはいけないもの』にて解説します。

酸・塩基の均衡を守る

カリウムには、体内が酸性に傾くのを防ぐ働きもあります。

欧米的な高タンパク・高脂肪な食事をしていると身体が酸性に傾きやすくなるので、海藻や野菜のようなアルカリ性食品をうまく取り入れていきたいところです。

カリウムの1日の摂取量

日本人の食事摂取基準(2015年版)では、高血圧を予防するために望ましいカリウム摂取の目標量として次の数値を上げています。

性別 男性 女性
年齢 目標量(mg/) 目標量(mg/)
6~7 1800 1800
8~9 2000 2000
10~11 2200 2000
12~14 2600 2400
15~17 3000 2600
18~29 3000 2600
30~49 3000 2600
50~69 3000 2600
70以上 3000 2600

では、上記の数値に到達するには何をどのくらい食べればいいのでしょうか。たとえば、バナナには1本あたり422mgのカリウムが含まれているので、18歳以上の男性ですと、1日にバナナを7~8本食べなければいけない計算になります。

もっとも、こんなにバナナを食べるわけにもいきませんので、以下でカリウムが豊富な食べ物をご紹介します。

カリウムが多く含まれる食べ物

カリウムは次のような食品に多く含まれています。

  • 大豆
  • インゲン豆
  • 納豆
  • くるみ
  • アーモンド
  • バナナ
  • アボカド
  • ほうれん草
  • さつまいも
  • さといも
  • こんぶ
  • ひじき

野菜、海藻、豆類、ナッツ類、果物を日々の生活にうまく取り入れていきましょう。野菜であれば350g/日、果物であれば100g~150g/日が目安です。特に果物は摂取しすぎると肝脂肪がついてしまうので要注意です。

カリウムの上手な摂り方

カリウムは水に溶ける性質があります。したがって、ゆでたり水にさらしたりすると、30程度減ってしまいます。

また、新鮮な状態である方がカリウムを多く含んでいるので、できるだけフレッシュな状態のものを、サラダのような生に近い状態、煮るのであれば、スープのように汁ごと飲める調理方法をとればいいでしょう。

カリウムの過剰摂取について

カリウムを含む食品は多いですが、基本的に過剰摂取になる恐れは少ないため、上限量は特に定められていません。ただし、排泄障害があったり、カリウムのサプリメントを使用している場合は過剰摂取になりうるので注意しましょう。

カリウムを摂る上での注意点

腎機能が低下し、尿の排泄が難しくなっている場合だと、高カリウム血症になるおそれがあります。高カリウム血症になると、不整脈などの症状がでてきます。

高カリウム血症は血液検査や心電図で発見できるので、不整脈が気になる方は健康診断を受けてみるといいかもしれません。

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